2009年 03月 16日 ( 1 )

「チェンジリング」を観た

「チェンジリング」公式サイト



クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」を観てきました。
内容は非常にシリアスで重厚ながら、
アンジェリーナ・ジョリーの演技に惹きつけられる映画でした。

主人公・クリスティンと息子のウォルターは母子家庭。
彼女が電話局でてきぱきと働く姿からは、
経済面で決して子供に苦労をかけまいとする強い愛情がうかがえる。

ある日の休日、ウォルターとの映画を観る約束が急な仕事で守れなくなってしまい、
クリスティンは仕事が終わると急いで帰宅するが、息子はどこにもいない。
近くの子供に尋ねても、近所を探し回っても見つからず、
襲ってくる不安を必死にこらえつつロス市警へ電話するクリスティン…しかし、
警察はむげに「行方不明から24時間以上経ってない」という理由で捜査を断る。

次の日、訪れた警官に事の経緯を説明するクリスティンだが、
それからもウォルターの手がかりは掴めない。
ひたすら息子の安否を願いながら、また、
どうしても予測される最悪の事態を振り払うように仕事に打ち込むクリスティン。

ウォルターの行方がわからなくなって五ヶ月が経過した頃、
クリスティンの元に、ロス市警が訪ねてくる。
「息子さんが見つかりましたよ」
一日千秋の思いで待ち焦がれていた知らせに、
不安で押し潰されそうになっていたクリスティンの頬を安堵の涙が…だが、
かけつけた駅で待っていた「ウォルター」は…。

とにかくアンジェリーナ・ジョリーの役柄というと、女戦士かワルというイメージだったのが、
観ている間はまったく想像できないくらいにひとりの母を演じきっていて、
アカデミー主演女優賞ノミネートも納得のコリンズ夫人役でした。

それにしても、今では考えられないくらいに杜撰も杜撰、
それどころか市民が自分たちに都合が悪いと判断すれば、
女性を平気で精神病院に放り込んだり、ろくに調べもせずに容疑者を射殺したりと、
事件当時の腐敗しきったロス市警の実態には恐れをなした。

特にジョーンズ警部とデイヴィス本部長の二人の酷さが際立っているせいで、
養鶏場で逮捕した少年からおぞましい事件を聞かされることになるヤバラ刑事などは、
本来ならば普通の対応なのだが、至極誠実な刑事に見えてくるほど。

そういう意味で、クリスティン・コリンズは二重の被害者なのだが、
どんな過酷な環境にも耐え抜く母の強さ、息子への切なる想い、
そして、法廷での毅然とした態度を見ていたら、
この日本で今も家族の帰りを信じている人々のことを思わずにはいられなかった。

俳優陣では他にも、クリスティンの「シャバ」での殆ど唯一の味方といえる存在、
ブリーグレブ牧師役のジョン・マルコヴィッチや、
狡猾に組織の失態を隠蔽し続けるジョーンズ警部役のジェフリー・ドノヴァン、
そして、立ち居振る舞いから猟奇的でいかにも悪党といったゴードン・ノースコットを演じた、
ジェイソン・バトラー・ハーナーという人の演技も素晴らしかった。

イーストウッド監督の映画はわかりやすくて、
しかも真正面から作っている映画が多いので好きです。
4月公開の「グラン・トリノ」も楽しみですね。


【参考】チェンジリング (ja.wikipedia.org)
【参考】ゴードン・ノースコット事件
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by bouquet_garni | 2009-03-16 00:45 | 映画、ドラマ | Comments(0)


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