「おくりびと」を観た

「おくりびと」公式サイト



WBCで日本が韓国と対戦している頃、「おくりびと」を観てました。
受賞から10日余り経ってもまだ混んでましたが、やっとこの作品に触れることができました。

感想としては、思っていた以上に完成度の高い映画だった…ということ。
時々クスッと笑わせる演出を交えつつ、納棺のシーンを非常に粛々と描いている。
納棺師という職業にスポットを当てた部分が特に話題になっているが、
作品中における家族の繋がりというテーマの比重もとても大きい。

何しろ、キャストが絶妙にはまっているな…と感じた。

本木雅弘演じる小林大悟は、人柄は穏やかで大人しめなチェロ奏者。
子供の頃に出て行った父親を恨んでいるが、度々その手で奏でている曲は?

広末涼子演じる小林美香は、夫に対して恋人気分の抜けない大悟の妻。
夫の仕事に強く反対し実家に帰ってしまうが…。

吉行和子演じる山下ツヤ子は、
大悟が故郷でよく通っていた銭湯を一人でやりくりしているおばさん。
とにかく働き者で、風呂屋をめぐって息子とはしょっちゅう喧嘩している様子。

山崎努演じるNKエージェントの佐々木社長は、どこか懐の深さを感じさせる男。
フグの白子やフライドチキンなど、
むさぼる度に呟く「うまいんだよな。困ったことに。」がとても印象的。
ちなみにこのセリフは山崎氏のアドリブとのこと。

余貴美子演じる百合子は、淡泊に仕事をこなしているようで、
実は社長を尊敬している。本当は優しい人かも?

笹野高史演じる平田は、ツヤ子が切り盛りする銭湯の常連のオヤジ。
散歩と詰め将棋が日課?この人のセリフも良い。

杉本哲太演じる山下は、役所で働く大悟の幼馴染。
美香同様、大悟が納棺師をしていることにだいぶ否定的。

峰岸徹演じる小林淑希は、大悟が幼い頃に家を出て行った父。
昔は大悟の母と喫茶店をやっていたらしい。

山田辰夫演じる男は、亡き妻の納棺の時間に遅れてきた社長と大悟に対して
「死人で飯食ってんだろ」となじるが、根は良い人。

中盤、大悟が川の傍でチェロを弾く姿と交互に、
様々なところで納棺をしていく大悟とその場に立ち会う家族の風景が描かれていて、
ああ、うちのおじいさんの時もこんな風だったっけ、などと思ったりしました。

そして…久石譲のテーマ曲が、映画のクライマックスに多大な貢献をしていました。

おくりびと より -on record-,-memory-,-ending- (320kbps) (nicovideo.jp)

最後の最後まで引っ張って引っ張って…おそらく観ている多くの人が願っていたであろう、
記憶のピントがぴったりと合った瞬間…その安らぎに満ちた音楽は流れていました。
観客のひとりとして、胸にこみ上げてくるものが。
峰岸徹さんが本作公開中に旅立たれたことも理由にあるかもしれません。

峰岸さんは生前、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことを喜んでいて、
「まだクリアしなければいけない壁があるが、来年の授賞式には出たい」と、
病床でも英語のスピーチを練習していたそうです。
きっと受賞のニュースを知って、向こうであの笑顔で喜んでいる気がします。

心から良い映画だと思いました。
アカデミー賞を取れたのはタイミングも良かったのかもしれないけど、
これを企画したモックンは…本当に凄いですよ。


【参考】おくりびと (ja.wikipedia.org)
【参考】死を想う (ほぼ日刊イトイ新聞)
【参考】歴史を作った名作「おくりびと」~監督、キャストの喜びの声が到着! (RBB NAVi)
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by bouquet_garni | 2009-03-08 01:13 | 映画、ドラマ | Comments(0)


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by bouquet_garni

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